【書評レビュー】デイヴィッド・ミラー『1冊でわかる 政治哲学』

書評レビュー 「政治哲学」の入門書の目次や解説も

最終更新日:2017年5月10日

200頁に満たないお手軽な入門書です。

学部の教養課程や、専門課程で初めて政治哲学に触れる方、
一般教養として政治哲学に興味がある方が、最初に手をにする本として最適です。

オックスフォード大学の教授である著者デイヴィッド・ミラーが

わたしは、これまで政治哲学に触れたことのない人々にとって、政治哲学を興味深く理解しやすいものにしたいと願って本書を書いた。
(まえがき)


と書いた願いは、十二分に叶えられています。
訳も文句なしで、著者の願いを損なうことのない和訳版となっています。

デイヴィッド・ミラー『1冊でわかる 政治哲学』(岩波書店、2005年)山岡龍一、森達也訳

私の評価 ★★★★★
ページ数 216頁
著者・編者 デイヴィッド・ミラー
山岡龍一、森達也訳
出版社 岩波書店
出版年 2005年
出版社ページ 岩波書店 書籍詳細ページ
目次
  1. 1.政治哲学はなぜ必要なのか
  2. 2.政治的権威
  3. 3.デモクラシー
  4. 4.自由と統治の限界
  5. 5.正義
  6. 6.フェミニズムと多文化主義
  7. 7.ネイション、国家、グローバルな正義
  8. (訳者あとがき)政治哲学はどのようなものとなりうるのか
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価格 1,944円

和訳の際に書名を「政治理論」または「政治学」にしようか、という案もあったというように、「哲学」に特化した内容ではありません。
小難しいことや言い回しはなく、とても読みやすいです。
手に取りやすい本ですが、決して内容が薄いわけではありません。
プラトン、アリストテレスやカント、J・S・ミルなど、ロールズなど、強弱はありますが政治哲学史上の重要箇所についてもひととおりふれています。
アナーキズムやフェミニズムなど、著者の興味によりほかよりも濃い内容となっている部分もありますが、
それが逆に著者の人格が垣間見えて「教科書」に収まらない読みやすさがあります。

入門書として、より掘り下げた勉学のための文献案内・参考文献リストもついています。

「政治哲学ってなに?」
「政治的権威とは」
「デモクラシー」
「自由」
「正義」

こういったキーワードに興味があっても、まだ本格的な勉強をするほどではないと言う方にも。
法哲学で正義論を勉強しようという方の入門としても使えます。
フェミニズム多文化主義グローバルな正義といったトピックスは、90年代以降の正義論で活発に議論されている内容ですが、それらのテーマを簡潔にわかりやすく解説しています。

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