ドゥテルテ大統領が来日したので、フィリピンの政治史を簡単にまとめ

4ヶ月で4,000人殺害。 近くてよくしらないフィリピン

最終更新日:2017年5月9日

第2のヒトラーでおなじみのフィリピン大統領ドゥテルテさんがいろいろと話題になっているフィリピン。
いい機会なので、フィリピンがどんな国なのか、政治史を中心にしておさらいします。

フィリピンの基礎知識

首都:マニラ(「ニラの木がはえるところ」という意味)
人口:約1億人
面積:299,404 km²(日本は378,000 km²)
日本との時差:1時間
経済:1人あたりGDPおよそ4,681ドル
宗教:キリスト教90%、イスラム教5%
言語:フィリピン語、英語
スポーツ:野球、ボクシング、ビリヤードなどが人気
政治:1986年に民主化され、現在も民主主義国家です。

「フィリピン」の国名は、スペインのフェリペ2世から。

セブ島、ボラカイ島などで有名なように、国全体が島国です。

フィリピン政治史簡易年表

1521年〜
スペイン統治
・1521年にスペインのマゼラン艦隊がフィリピンを「発見」
・1565年には植民地体制が築かれる

1896年〜
フィリピン革命

1889年〜
アメリカ統治

1941年〜
日本軍統治

1944年
アメリカ軍再上陸

1946年
独立

1965年〜
マルコス独裁

1972年
「戒厳令」発令

1983年
ベニグノ・アキノJr 暗殺される

1986年
大統領選挙 マルコス VS コラソン・アキノ(ベニグノの妻)
エドサ革命(ピープルパワー)
・マルコスによる不正選挙 → エドサ通りで大規模デモ → 国軍改革派がマルコスに反旗 → マルコス一家ハワイへ逃亡 → アキノの勝利宣言

1986年〜
コラソン・アキノ政権

1992年〜
ラモス政権

1998年〜
エストラダ政権
(2001年 ピープルパワー2により失職)

2001年〜
アロヨ政権

2010年〜
ベニグノ・アキノ3世政権

2016年〜
ドゥテルテ政権

・「漁夫の利」選挙
ロハス VS ポー VS ドゥテルテ
ロハスとポーは簡単にいえば同じ政策を掲げる仲間。
その二人が分裂して票が割れたため、ドゥテルテが当選した。

フィリピン現代政治史まとめ


アメリカの植民地支配により、東南アジアで最も早く民主化されたフィリピン。
とはいえ、一部のエリート層が富や権力を独占する民主主義政治が続いた。
エリート支配は、スペイン統治下の大土地所有プランテーションから続く。
そんなエリート支配に対抗して力をつけたのがマルコス。
冷戦下において共産圏との戦いを掲げ、アメリカから全面バックアップを受け長期政権を築く。
その後社会情勢も変わりインフレが深刻化、そのなか一族の利益を優先したマルコスと妻イメルダに批判が集まり、アキノJrの暗殺により民心は完全に離れ、失脚することに。
マルコス失脚後は不安定な状態が続き、1986年〜1990年までに8回ものクーデターが起きている。
元俳優であり人気のあったエストラダは、違法賭博献金により失脚。
副大統領から大統領となったアロヨも汚職疑惑にまみれていた。
次の大統領アキノ3世は汚職撲滅対策とアキノの孫というカリスマ性により高い人気を維持する。
フィリピンは大統領の再選ができず、2016年の選挙では後継者を自称するロハスとポーの分裂によりドゥテルテが漁夫の利当選。
漁夫の利ではあっても、660万票以上差以上の圧勝。
汚職や麻薬カルテルに嫌気がさしていた国民に、ドゥテルテの過激な発言が受けたともいえる。

ドゥテルテの4ヶ月

麻薬の関係者に「降伏か死か」と強い姿勢で臨んだドゥテルテ。
この4ヶ月でおよそ4,000人を殺害73万人が自首した。

過激なことだけではなく、フィリピンではじめて緊急通報システムを導入し犯罪対策をおこない、「もしもの時は電話すれば警察が駆けつけてくれる」という先進国にとっては当たり前の安心を国民に与えた。
汚職の追放のために、前政権の関係者はほぼ全員解雇。
役所への不満や意見を聞くホットラインの電話も導入している。

建設やインフラの開発も積極的におこなう予定で、人権侵害に対する諸国の反応とは反対に、フィリピン国民の支持率は高く、91%の支持率を得ている。
Duterte enjoys record-high 91% trust rating - Pulse Asia


犯罪や汚職が当たり前であったフィリピンで、一般国民が犯罪被害に遭わない社会が来るかもしれないといった期待の中にあるフィリピン。
一方、4ヶ月で4,000人の殺害という、司法を軽視した犯罪対策。

これをどう感じ、なにが正しいと考えるのか。
典型的な、「正義」の問題ですが、これを良しとする正義論者はほとんどいないと思います。
ですが、5人を助けるために1人を殺すという選択はありうる。
現状では、社会的弱者である一般の市民の生活が守られるようになっているという事実は軽視できない。

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