東京五輪とホームレス

東京五輪でホームレスは追い出されるのか

最終更新日:2017年9月12日

東京都のホームレス

2017年1月、東京都の調査によると、1,397名のホームレスが東京都内で生活している。
平成29年冬期 路上生活者概数調査の結果

予想よりもかなり少ない。

日本経済新聞の記事では
日本経済新聞 電子版『東京のホームレスもっと多い? 市民団体調査、都公表の2.3倍 』
>東京都内の路上や公園で寝起きするホームレスの数を市民団体が調査したところ、都が公表する人数の2倍以上を確認した。都の調査はピーク時に比べて、ホームレスが激減したとしているが、調査時間帯を昼間に限定しており、実態を反映していない可能性がある
とある。
東京都のホームレスの数え方は、各施設の管理者が昼間に目視でカウントする。
>直接テントやダンボール等の中を確認したり、路上生活者に対する聴き取りは行っていない。
とあるように(上記都のホームページより)、実数を把握しようとする努力はない。

日経記事にある市民団体は夜間にもカウントをおこなった結果、より実態に近い数値となったように思う。
※記事にある市民団体「ARCH

またこれらのカウント方法は、「いかにも路上生活をしている人」をカウントしているだけで、ネットカフェ難民や脱法ハウスなどで生活をしている人はカウントされていない。
このカウント方法は東京都だけではなく日本全体でほぼ同じ。
他の先進国では、このようなカウントはされておらず、事実上ホームレス状態にある人はすべてホームレスとしてカウントされている。
同じような数え方をすれば、日本のホームレスはかなり増えることとなるのは間違いない。

都の発表で約1,400名、実際には3,000名くらい(ネットカフェ難民等をいれればさらに増える)のホームレスが都内に生活している。

小池知事は今年(2017年)8月の会見で
>(ホームレスが)いらっしゃるということは認識をしております。しっかりとした対策を取っていきたいと思います。
と発言している。
認識しているのはあたりまえ。
都庁舎の真下の路上に定住しているホームレスの方がいる。
すぐ裏の新宿中央公園周辺でも多くのホームレスが生活している。
歴代都知事もそうですが、自分が執務する立派な都庁舎の目と鼻の先で生活している路上生活者がいる実態をどのように考えてきたのか。
※都の調査によれば、都庁がある新宿区のホームレス数は97名。渋谷区の107名(おそらく多くは代々木公園)に次いで多い。その次が台東区88名(おそらく上野公園)。

路上生活者地域別概数調査一覧(平成28年1月)

※国や都のホームレス支援策や担当者の努力を軽視するものではない。それらの成果を正確に評価するためにも、正確な調査を心がけて欲しいと思う。

東京五輪とホームレス

東京都は現在、「ホームレスの自立支援等に関する東京都実施計画」を平成30年まで5カ年計画で実施している。
ホームレスの自立支援等に関する東京都実施計画(第3次)」 

東京都と23区が共同して設置している「自立支援センター」は、都内5箇所にある。


さらに東京都は、2024年までに自立の意思のあるホームレス「ゼロ」を目指すとしている。
都、24年に「ゼロ」目指す 五輪契機、対策に力 巡回強化し住居提供
(2017/9/6付日本経済新聞 朝刊)

仮にこれが上手くいったとして、自立の意志のないホームレスはどうするのだろう。
もちろん、好きでやっているのであれば強制することは出来ない。
しかしながら、ホームレス状態にある人の多くは、社会的排除を経験したことによる「あきらめ」や、極度に低くなってしまった自己評価により、自立の意志を喪失していることも多いように思う。

ただ、実現が難しそうな2020年ではなく、2024年としているところは、実態と施策の難易度を正確に考慮しているように思う。
現実をみていなければ、東京オリンピックがある2020年を目標としていたでしょう。

ホームレス対策は、国や自治体の努力だけではどうにもならない部分も多い。
自立をするためには、所得を得る手段が必要であり、それらは民間の努力が必要である。

かつて、自分の自治体からホームレスを追い出し、「うちにホームレスはいない」とうそぶいた政治家がいる。
2014年年末には、渋谷区が渋谷駅周辺の公園を封鎖し、ホームレスを追い出した。
新国立競技場の建設にともない、周辺から追い出されたホームレスも多数いた。

オリンピックに伴う「ホームレス対策」が追い出しという対策ではなく「ホームレス支援」であることを強く願う。

映画:東京ホームレス

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