憲法とは? 憲法改正にむけて憲法の基礎を簡単に解説

いまこそ憲法のことを知ろう。誰でもわかる憲法と法律の違いと立憲主義。

最終更新日:2017年9月12日

憲法とはなにか。
意外とわかっていない人が多いです。
残念なことに政治家の先生方もわかっていない人がいる。

中学高校で習うはずなのですが、よくわかっていない。
憲法改正の国民投票が間近に迫った今、憲法とはなんなのかを簡単に解説します。

憲法の基礎

憲法とは国の根本規範です。
簡単に言うと、国のルールのルール、一番大事な枠組みです。
すべての法律は憲法のルールの範囲内で作られます。

人類の歴史には、ほぼ常に国王や独裁者などの権力者と市民の対立があります。
市民ひとりひとりが大事であることを尊重するために、国には、権力者の暴走を抑える仕組みが必要です。

そのひとつが三権分立。
国の権力を大きくわけると、立法・司法・行政の三つに分類できます。
この三つの権力がひとつところにあると、権力の暴走を抑えることができません。
そこで、三つの権力を分解しました。
日本は、立法(国会)・司法(裁判所)・行政(内閣)です。

そしてなにより大切な仕組みが憲法です。
少なくても民主主義国家であれば、必ず憲法があります。

イギリスは不文憲法といって、憲法典(文字で書かれた憲法)がありませんが、コモン・ロー(共通法)と呼ばれる憲法があります。
アメリカや日本には、文字で書かれた憲法典があります。

日本の憲法は、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」を中心としています。
国民主権とは、国の行く先を決めるのは、王様や独裁者ではなく国民であるということです。
基本的人権の尊重とは、国民ひとりひとりに人権があり、国はこれを侵してはならないということです。

これらの大原則を守るために、憲法は国などの権力を制限します。
つまり憲法は国民ではなく政府や公務員に向けたルールなのです。

立憲主義と憲法改正

最近良く聞く「立憲主義」という言葉。
どれだけの人が理解しているでしょうか。

立憲主義とは、国のすべての権能は憲法によって立ち、憲法の制限下に置かれるという意味です。
そして守るべき価値はなんであるのかを憲法に規定します。
総理であろうと天皇であろうと軍隊であろうと、憲法に反することをしてはいけません。
すべては憲法の制限のもとに置かれ、すべての法律は憲法に合うように作り運用されます。
逆に言うと、国の権限は憲法を根拠としているとも言えます。

つまり、政府や公務員などの権力を制限するのが憲法の役目であります。
憲法は国民を守るためにあり、権力から国民を守る盾となります。
憲法は権力者に向けた命令です。

「国民のこういう権利を守りなさい」
「そのためにこういう法律を作りなさい」
「権力者はこういうことはやったらダメ」
「戦争はダメ」

憲法にはこういったことが書いてあります。


でも、自分が権力者だったら、「この制限邪魔だなー」と思うこともあるでしょう。
もし、憲法を簡単に変えてしまうことが出来たらどうなるでしょう。
憲法のうち邪魔な部分を変えてしまえばいい、となってしまいます。
これでは、権力を制限することができません。

必然的に、憲法は改正が難しいものでなければなりません。
しかしながら、時代は常に移り変わり、書かれた憲法は古くなっていきます。
時代や現状にそぐわない憲法は変えていかなければなりません。

憲法改正はできるけど、法律のように簡単に変えることができてはダメ。
政府の権力を制限するのが憲法で主権者は国民ですから、国民の賛成があれば変えてもOK。
ということで、憲法改正には国民投票が必要となっています。

憲法と法律

すべての法律は憲法のルールに合致していなければなりません。
憲法のルールを元にして、法律で細かいルールをつくります。

憲法は、国や権力を制限するものであって、国民のルールではありません。
法律は、国民のルールです。
※国や権力を制限する細かいルールも法律でつくります。

ここで、憲法13条をみてみましょう。

〔個人の尊重と公共の福祉〕
第13条すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

この憲法を実効性があるものとするために、国は法律を作る義務があります。
例えば、「生命」を守るための法律を作らなければなりません。
人を殺したら罰を与えるという刑法199条(殺人罪)もそのひとつでしょう。

憲法に反した法律は違憲です。
例えば、民法900条4号ただし書きの「嫡出でない子の法定相続分を嫡出子の2分の1とする」という規定は、日本国憲法第14条1項に反しており違憲であるとされました(最大決2013年9月4日)。
憲法14条1項は
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
としています。
「嫡出でない子」とは結婚していない両親の間に生まれた子どものことですが、結婚している両親の間に生まれた子どもと比べて半分の遺産相続権しかなかったわけで、「平等」ではなかった。

※日本では「違憲」な法律であっても、具体的な事件の裁判を通して、最高裁判所で「違憲である」と決めてもらう必要があります。

このように、国は憲法のルールに合致した法律を作る義務があり、憲法に反した法律をつくることや、作らなければいけない法律を作らないことは、憲法違反となります。

まとめ

憲法は国民を守るために国などの権力を制限するものです。
法律を作ることや、裁判をすること、政府の仕事、その公務員の行動は、すべて憲法のルールに従う必要があります。
国民は、憲法ではなく、憲法のルールの通りに作られた法律に従う必要があります。

憲法をみれば、その国がどんな国かわかるほどに、憲法は国にとって最も大切なものです。

憲法は国の最高のルールです。
憲法を改正できるのは憲法による規定によってだけです。
憲法の基本的な部分を壊すような改正はできないはずです(憲法改正限界説)。

国民主権をとる日本国憲法は、これからも国民ではなく国を制限するためのルールであり続けます。
これが無くなったら立憲主義ではなく、もはや民主主義国家とは呼べません。

憲法改正の国民投票に向けて、ひとりひとりが、憲法や国の未来について考えていく必要があります。
分かりやすい本もいろいろ出ているので、ちょっと憲法について考えてみましょう。
出来れば、左翼や右翼などのイデオロギー色がない本がいいでしょう。

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